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癒し 

シリーズ「エベロン・アンダー・ザ・グラス
原文「Healing
原著:ショーン・K・レイノルズ
訳文文責:laeva




 ようこそ「エベロン・アンダー・ザ・グラス」へ。本コラムではエベロン世界で遊ぶ際の、D&Dにおける定番的テーマの取り回し方を見ていきます。失われたアーティファクトの探索であろうと、古文書からの知識の発掘であろうと、はたまたゴブリンの蜂起への対処であろうと、エベロンではエベロンなりにいくぶん違った形を取るのです。本シリーズは、エベロンで遊ぶプレイヤーやDMの皆さんが、この世界について「らしさ」の感覚を得るための手助けとなるでしょう。

 この記事では、エベロンにおける治癒行為についての考え方を見ていこうと思います。
1.わずかな術者、多数の職能者


 典型的なD&Dキャンペーン世界では、魔法による癒しというのは容易にあずかれるものです。たとえそれがパーティーのクレリック・ドルイドが未熟故に唱えられない呪文で、かけてもらうためにわざわざ街に戻らなくてはいけなかったりするにしてもです。これがエベロンでは、初級の呪文がありふれたものであるのと対照的に、中級から高レベルの魔法は他の世界に比べてより希少なものになります。PCクラスを持つ者がほんのわずかしかいない一方、NPCクラスはPCクラスに比べて成長が遅く、最弱の呪文以上の魔法に手が届かないという事情があるためです。これがどういうことかと言うと、ほとんどのNPCは最も基礎的な治療法以外には手が出ず、PCも自分たちを治癒魔法(単なるリムーブ・ディジーズ程度のものであれレイズ・デッドのような重大な魔法であれ)で助けてくれる術者に接触するのが困難になるということを意味します。

 エベロンでは普通のD&Dキャンペーン世界に比べて多少アデプトの数が増加しているとは言っても(人口の0.5%が1%になっています)、結局アデプトは呪文能力の成長が遅いので、2LV呪文に手が届く者さえわずかしかいません。もっと言えば、冒険者がNPC術者に求めるような呪文の大部分は、そもそもアデプト呪文リストにないか(例えば、レッサー・レストレーションがないことなど大問題でしょう)、あるいは成長が遅いせいでかなりの高レベルアデプトでなければ使えないのです。なのでキュア・ライト・ウーンズのようなごく簡単な呪文を除いて、PC達は冒険中の災難に対処するのにNPCによる呪文サービスを期待できない、ということになります。(上述の事実はまた、エベロンの人々にとって信仰呪文による治癒がいまだ驚嘆すべきものである一方、低レベルの秘術的魔法が、どこかありきたりなものと考えられているだろうことも意味しています)

 さて幸いにも、魔法が唯一の手立てなわけではありません。〈治療〉技能は応急手当てに使えますし、長期的な看護にも、毒への対処にも病気の沈静化にも役立ちます。たしかに普通の冒険者が求める即効性を遥かに超える期間がかかりはしますが、それでもこの世界の一般庶民の面倒を見るのには十二分の効力を発揮します。結局のところ、平均的なエベロン民衆がHPを50点も緊急回復しなければならない事態に遭うことはありませんし(ほとんどの人にはHPが20もありません)、ファンタジー世界における赤痢やコレラに相当する病気は確かに危険ではあるものの、DC16のマミー・ロットに比べれば危険性は低く、進行も遅いのです。そもそも普通の人間にとって魔法的治癒手段を受けるだけの金銭的余裕などめったにありませんから(リムーブ・ディジーズの呪文は150gpかかりますが、これは非熟練労働者にとって約5ヶ月分の賃金に当たります)、非魔法的な手段こそが頼みの綱なのです。

 このような要因によって、ほとんどの神殿付施療師は魔法能力者ではなくむしろエキスパートが主であり、そして、治療に専念したならば1LVのエキスパートですら――まず技能ランクが4。自前のアイテムやらで+2するか、《技能集中(治療)》で+3したとして、能力値ボーナスなしでも計+6か+7――傷を負い、あるいは毒や病気にかかった人の生死を左右することができるようになります。ですから、単に魔法でないからなどという理由によって、市井の人々が非魔法的な治療法を退けることはないのです。とは言えもちろん、1LVのPCクレリックはおそらく上記と同等かあるいはそれ以上の〈治療〉技能修正値を持っているでしょう。普通の冒険者にとってはまたもや、NPCの癒し手はさしたる助けにならないわけです。



2.まずは信心深きものに供せよ


 先にも言及したようにエベロンでは熟達した魔法能力者は数少なく、そして強力な治癒魔法を使う能力を持つ術者が一人やそこらなら神殿も、十分な金さえあれば誰にでも簡単にその魔法を使わせてやるなどということはしていません。典型的なD&Dキャンペーン世界では、ペイロアなりイルメイターの教会は必要としている者になら誰にでも(対価や寄付を払われさえすれば)治癒を施してくれるだろう、と信頼することができるでしょうが、エベロンではシルヴァー・フレイムやソヴリン・ホストのような恵み深い宗派ですらもが、己らの貴重な信仰呪文を信徒でない者に対して進んで費やしてやろうとはしないのです(キース・ベイカーが、エベロンの宗教について書いた『ドラゴンシャード』の一記事で触れている通りです)。当然、汚く不潔な冒険者達すらもその例外ではありません。自分が信徒であるという証を立てられなかった者は、何ら有益な呪文をもかけてはもらえないことでしょう。

 魔法能力を持つ司祭(熟練したアデプトか、聖戦に身を捧げているクレリックかは問わず)を幸いにも十分数抱えている神殿も、普通、冒険者達には金よりも何らかの奉仕を対価として求めます(金を寄付したり、単純な恩恵を提供することは商人や貴族なら誰にでもできます。一方、冒険者というのは並外れた功業を為せる並外れた存在であり、教会はそういった異能を活用したいと考えるわけです)。このことは、エベロン世界を使うDMにとっては手軽なシナリオフックになるでしょう。とりわけ、一人かまた複数のPCが特定宗派に強いつながりを持っている場合には有効でしょう――その冒険者がクレリックであるか、ドルイドやパラディンであるかを問わず(むしろ、敬虔な者ならば他のクラスでもいいでしょう)。

 キース・ベイカーが自身の記事で指摘しているように、退廃したクレリックはこの「代金なき呪文発動」という慣例の例外となります。それが長い目で見れば教会の利益になるのだと信じている限り、このような個々人は神に授けられた力を富を得るためにずっと安易に使用するでしょう。このような行為はその退廃的クレリックが神殿から排除されるのに十分な理由となりますが、こういったキャラクターは、腹心や雇い人などとしてPCからの関心も高い存在になれるでしょう――つまり、手軽に使える治癒魔法の入手先として。もっとも、同派の真っ当なメンバーに面会する必要がある時にはまず間違いなく問題になるでしょうけれども。また、追放の憂き目に遭った堕落クレリック達は、本気で呪文を必要としている者に高値をふっかけられるような、有名な冒険地の近傍(例えばモーンランドへの進入路の、安全な霧から離れた場所であるとか)にキャンプを張りさえするかもしれません。

 もちろんのことですが、全般的に呪文サービスが不足しているという状況は、PCにとっては何かしらの利益を得るために、己らの希少な才能を対価にするという形でメリットへ転化できる材料となります。例えば、ホブゴブリンの襲撃者から町を守った後、PCのリーダーであるクレリックは地元の自派神殿を修繕するよう地元民に言いつけ、年に一回は町の衆に治癒魔法をかけてやりに戻ってくる、と約束してやることができるでしょう。この行為は方々を利します。つまり、エキスパートである地元の司祭はより良い日常空間と得、そしてより強い注目を町での儀礼に集められます。教会はより良い神殿と、より強い地元からの信頼を獲得します。そしてPCは、寛容さと援助の誓約によって名声を獲得するわけです。時が経てばこの心付けの時から町はより発展しているかもしれませんし、PCが引退を決意した折りにはそこの神殿が、あるいは世俗社会すらもが、自分に地位を用意して待ってくれているかもしれません。



3.ジョラスコ氏族


 上述の通念に一抹の混乱を引き起こすのがジョラスコ氏族です。神殿と違って彼らは誰にでも治療サービス(魔法的であれ非魔法的であれ)を提供しますし、彼らが目的とするのは金銭です。1LVのキャラクターですら最下級ドラゴンマークを帯びることがあり得る関係で、神々とのつながりを持たないにも関わらず、ジョラスコ氏族は自由裁量で能力を使える魔法的治癒師を多数抱え込んでいるわけなのです。ジョラスコの有能な癒し手はその商業的思考法に基づいて、自分たちが誰であれ治癒を必要としている人々への、そして特には地元の諸神殿と付き合いを持てないか、持つつもりがない人々への窓口となるようにしています。また、次のことを指摘しておくことも重要でしょう。『エベロン・ワールドガイド』に記述されたジョラスコの「典型的な」治癒師が3LVのアデプトである一方で、キース・ベイカーは、メイジライトについて書いた『ドラゴンシャード』記事の一つで別タイプの治癒師(「ジョラスコの薬師」)を提示しています。薬師達はポーションの作り手でもあり、ジョラスコ氏族はエベロンにおけるヒーリング・ポーションの最大の供給者にもなっているのです。

 『エベロン・ワールドガイド』で述べられたように、ジョラスコ氏族の規範は、彼らに対価が払えるならば誰であれ治療を必要としている者を癒すよう求めていますが、これは、彼らは時にいかがわしいキャラクターと関わらなければいけないということでもあります。つまりどういうことかというと、彼ら氏族が双方ともに手を貸している集団の間に発生した交戦状態(例えば二つの有力貴族が、まさに進行中の抗争において自分たちの一門だけが確実に生き残るよう躍起になっているだとか)を解決するだとか、また調停してくれるようギルド首脳部に依頼をするには外交手腕が不足している中、不本意な政治的圧力を回避するだとかのために、時によってジョラスコ氏族が冒険者の助けを必要とするかもしれない、ということを意味しているのです。





著者について

 ショーン・K・レイノルズはカルフォルニア州エンシニタス市に在住しており、最近テレビゲーム会社の職を辞しました。D&Dにおいて、彼は『モンスターマニュアル』『フォーゴトン・レルム・ワールドガイド』『Savage Species』にクレジットされています。本記事についてのキース・ベイカーの助言に感謝。ショーンのウェブサイトにはさらなるゲーム資料が公開されています。




 ゲーム『ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ』の原作は、E・ゲイリー・ガイギャックスとデイヴ・アーンソンによってデザインされました。その後、原作をもとにして『ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ』の新版がジョナサン・トゥイート、モンテ・クック、スキップ・ウィリアムズ、リチャード・ベイカー、ピーター・アドキソンによってデザインされました。D&D、ダンジョンズ&ドラゴンズ、フォーゴトン・レルム、エベロンは、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の登録商標です。ウィザーズ社のすべてのキャラクター、キャラクターの名前、肖像画は、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の登録商標です。この資料はアメリカ合衆国の法律によって保護されています。ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の許諾書なしでの本資料の製品化や、ここに含まれている資料や図画を無断で使用することは禁止されています。この製品はフィクションです。実在する人物、組織、場所、または出来事と類似していることがあっても、それは純粋な偶然にすぎません。このウィザーズ・オブ・ザ・コーストのゲームにはオープン・ゲームの内容は含まれません。この資料のどの部分も、どのような形であれ許諾書なしに編集してはいけません。オープン・ゲーム・ライセンスとD20システムに関するさらに詳細な情報を得るためには、わたしたちのウェブサイト、www.wizards.com/d20を訪れてください。


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laevaと名乗っていましたが、呼ばれる際に恥ずかしいという問題が発覚して以来、にるば(nirva)と名乗ってます。RPG、ボードゲームなどが趣味。
 
 コメントへの返信が大体遅れておりまして失礼しておりますが、おそらく質問等は、twitterの方でしていただいた方が短時間で認知できる確実性が高いかと思います(右カラム参照)。

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