コミケC86本/自家通販:[RPG史話]『準創造の仲間』
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コミケで出した本を半個人通販してみることにしました。半というのは、pixivが運営している「BOOTH」を利用して、決済を外部委託する形なためです。この記事で扱うのは『RPG物語1 準創造の仲間』です。
[RPG史話] 準創造の仲間 - nirvanaheim亭

当初「RPG創成期史本」などと称していたものです。表紙の人物左はRPGの父の一人、ゲイリー・ガイギャックス。人物右は近代ファンタジーの父の一人、J・R・R・トールキン。だいたい以下のような趣旨の冊子になっております。
起源たるRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ (D&D)』を作ったゲイリー・ガイギャックス。そして近代ファンタジーの大古典『指輪物語』を描いたJ・R・R・トールキン。「D&Dは指輪物語の影響下に作られた」などとよく言われるが、いったいその「影響」とはどのような性質のものなのか? 前者は後者をどう捉えていたのか? ここに多少の歴史探究のレポートをお送りする。
これに加えて、前置きとしてD&Dの「版」の変遷に関してまとめ、また付録として、文中で扱ったRPG初期時代のD&D公式記事をいくつか訳出してあります。目次を販売ページに画像として置いておきましたので、ご参照ください。
●表紙とタイトルについて
とりっくんさんにご感想をいただきました。ありがとうございます。
にるばさんの『準創造の仲間』、薄いながらもRPG史論として本当に労作であった。初期DnD論を何か話す際にはこれ(+ここに書かれている内容)がたたき台になるというくらい重要な議論がされている。
— とりっくん(修復前行動) (@tricken) 2014, 8月 16
●表紙とタイトルについて
「表紙を作らなければ」となった時に、印刷の際に隅が白くなるという前提で考えたところ、指輪物語の表紙をオマージュしようという発想になりました(現文庫版。ハードカバーも前はこうだったのですが。なおリンクはAmazon行き)。そこから必然的にタイトルも決まりましたが、ネタ先行なために分かりやすさを欠いたかもしれません。
表紙を作った際に思いついた後書きのためのイイ台詞を、実際には書き忘れたのが若干心残りです。だいたい表紙の「RPGの王(The Lord of the RPGs)」とは何かという話で、指輪物語の原題たる「指輪の王(The Lord of the Rings)」は冥王サウロンなわけですが、すべての指輪を支配する「一つの指輪(The One Ring)」を、冥王がそれを造った火口に投じて滅ぼすと、冥王もまた無力な黒い霧として吹き消えてしまいます。それと同様に、すべてのRPGを支配する「一つのRPG(The One RPG)」の起源に至る探索(クエスト)をしてみたら、RPGの原型にして規範と想定される何かやそれを定めたとされる何かもまた、実体のない黒い霧として吹き消える——タイトルの表すものとはそれに至る物語なのだ、というようなイイ台詞でした。ロブ・クーンツの回想するガイギャックス卓の様子を見るに、ガイギャックスがRPG創成当時に主張していたD&Dのデザイン意図(の少なくとも一部)と彼の卓は明らかに乖離してますしね!
もちろん、RPGに起源がないわけではありません。「はじまりのRPG」とそれを作った父の称号を捧げるべき先に疑問の余地があるわけでもありません。しかし、『指輪』作中で、指輪運搬者のフロドに対してピピンがふざけて「指輪王フロドばんざい!」と言い、ガンダルフにお叱りを食らったシーンは肝に銘じておきたいところです。「一つのRPG」概念を扱う際に、それを振りかざして自らをRPG王と思うようになってしまっては、まさに暗黒の魔力に取り込まれてしまうようなものでしょうから。
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