ダブルクロス、古のキャラ設定ファイル
- D&D:一般
- | トラックバック(0)
- | コメント(0)
先日「RPG」フォルダを整理していたら、謎のテキストファイルが見つかりまして、どうやらX年前(四捨五入して十になる程度の数字)にダブルクロスキャンペーンに参加する時につらつら書いた設定資料らしい。どうせですので晒してみます。
三世紀早く生み出されたホムンクルス、五世紀早く動き出したフランケンシュタインの怪物……アルバート・ハイムは、人の世を幾星霜の長きに渡って生きてきた「人造人間」である。
「第四の目覚め」と自称する魔術師の一団により産み出された人造人間(ホムンクルス)。現代レネゲイド科学で言うところの「賢者の石」を中核に作られており、現在オーヴァードと呼ばれている者たちと同種の力を有している。「目覚め」団の者たちはその原理を把握していたわけではなかったが、〈リザレクト〉が産み出す不死性は、彼をして格好の実験体としたのであった。
◆ラス・コルムナス、あるいは中世のプロメテウス "Las Columnas; or, The Medieval Prometheus"
・魔術師アロイシウス
西暦十三世紀頃——西欧世界に流れ込む万学を一身に収め、後世に「大聖」と称されることとなるケルンのアルベルトゥス、アルベルトゥス・マグヌス。彼は魔術・錬金術と呼ばれる技法の大家でもあり、陶製の体を持つ人造人間を産み出したと伝えられている……しかし、アルベルトゥスの全てを受け継ぎ、彼を越えたと言われる第一の弟子トマス・アクィナスは、これら裏の学問に恐れを抱き全てを封印してしまう(先述の人造人間もトマスが破壊してしまったという)。出藍の弟子の姿勢を見たアルベルトゥスはそれを認めながらも、別の若弟子アロイシオ・デ・ラス・コルムナス(アロイシウス)に密かに己の裏の学問を託したのであった。彼は羨望と嫉妬の対象であったトマスに並ばんと……即ち師を、師に託された分野において越えんとした。
師以上の知識を求めて東方世界に身を投じ、イェルサレム、バグダード、ダマスクス……と巡る。アロイシウスはイスラム世界の碩学達に教えを乞うたのである。ヘルメス思想への造詣を深め、また非ユダヤ人にしてカバラにすら踏み込み——だがやがて、アロイシウスはそれに飽き足らなくなる。彼は、当時の学問が基盤としていた遥かローマ・ギリシアの文明よりもさらに古ぶるしき秘密を欲するようになり、見捨てられた廃都、壮齢きわだかなる大バビロン、メンフィスの地下に広がるエジプトの闇、またベドウィンの伝説が仄めかす、砂漠の幻都「円柱並び立つ」イラムにすら足を踏み入れたのだ。再びアロイシウスが西欧に姿を現したのは、このように古きメソポタミアの廃墟、アラビアの無の砂漠を十年余に渡って独り彷徨した後であった。
・弟子の帰還
トマスは既に亡くなっていたが、師アルベルトゥスは齢八十頃に達しながらも未だ生き長らえていた。だが師は、ケルンに姿を現した弟子をにわかにそうと認識することができなかった……一体、この凶相はなんだろうか?あの「狂えるアラブ詩人」もかくやと思わせる風容を、アルベルトゥスは慄然たる思いで凝視した——師よ、私は貴方のために貴方を越えた!今こそそれを証明しよう……何とも名状し難き響きでアロイシウスはそう宣言する。
——かつて師は、人の如く動き、人の如く話す陶器人間を作り出した。ならば私は「人」そのものを……いや、ただの人ならぬ、「アダム・カドモン」を創り出してみせよう!
暗い情熱に満ちた口調で語るアロイシウスの手には、鮮血の如く赤き石が握られており、彼はそれをメソポタミアの忘れられた墳墓で発見したのだと、アッシリア人の保管していたバビロニアの古文書に伝えられし伝説の赤石、「ギルガメシュの心臓」を探り当てたのだ、と語った。その脈打つような冒涜的な輝きはアルベルトゥスの老いた心を酷く戦慄かせ、また同時に、神の作りしこの地上のものなるべからざる、慄然たる不可思議な力を確信させるのであった。やがて、この弟子もまた己より出でたる藍——それが異次元の色彩を放っていようとも——であることを、アロイシウスがかの如く成り果てた責を己も担っていることをアルベルトゥスは認め、弟子の企てを最後まで見届けることを心に誓った。
・創造
やがてアロイシウスの徒弟と称する得体の知れぬ者たちも加わり、作業は進められていく。まず赤石を砕いた粉末と、アルベルトゥスが供出させられた体液を混ぜ合わたものが、アロイシウスの手になる蒸留機の中に密閉された。時折輝きを放ち、蠢くこと二日。やがて赤く透明な人間状の物質ではないものが蒸留機の中に現れる。アルベルトゥスは、神の領域に傲然と踏み込むが如き事態に全身を総毛立たせた。
そして一定の熱を保ち、 …………
おおっとここでテキストファイルは終わっているー!? これたしか、「こんなもの書いてる暇があれば、早くキャラシを完成させてGMに送らないと」みたいな感じで冷静になってうっちゃったんですねアハハー いやー、PC本人の誕生まで行きませんでしたね、残念な話です。
しかしこれ、「齢八十頃に達しながらも」というのは、アルベルトゥスは享年八十歳ですからこの実験で死ぬっていう想定なんでしょうね当時のわたし。しかし「貴方のために貴方を越えた!」とか言っちゃったり、あとホムンクルスの生成法からして「アルベルトゥスが供出させられた体液」とはアレのことなのでしょうから、かなりヤバイですねこの弟子。多分顔も近い。SANをすり減らした探索者というのはこれだから困りますね。あと自分のことだから、どうせアロイシオ/アロイシウスという名前にも何かしら意図がある筈ですが、まったく憶えていないので謎。
キャンペーンにはごく普通に参加してごく普通に活動したと思いますので、ただの裏設定に終わった筈です。キャラ名で検索したら割と実在の人物が引っかかったので、なんかこの先を付け足すことがあるならその人々を習合させたいですね。 #ない
- 関連記事
-
- ダブルクロス、古のキャラ設定ファイル (2014/08/03)
- [D&D3.5e] 回復役構築中 (2012/09/03)
- [D&D4th] クリティカル時のダメージ挙動 (2012/08/29)
- [D&D4th] パワー源と役割:概説と補足 (2012/04/14)
- 今週のD&Dキャラ:ぼくのかんがえたネ(中略)人 (2011/11/06)
- [2014/08/03 22:47]
- D&D:一般 |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://nirvanaheim.blog116.fc2.com/tb.php/435-04c4f0fd
- | HOME |
コメントの投稿