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続・Fate/Zero11話に寄せて 

 あのFate/Zeroの「王の軍勢」は、アイデアの時点で既に勝利していますね。掛け値なしの英雄、死に方まで英雄伝説らしかった世界征服者の一人アレクサンドロス。その帝国は千々に分かれながらも、全体として新たな世界を創り出した英雄。彼の死後、帝国を千々に分けてしまったその諸王国の王たち戦士たちが、死して英雄の下に参じ、再び一つになる。これが燃えないことがありましょうか。

 というわけで昨晩の記事の続編的なものを書きました。



■王の軍勢


◆軍神とか

 前の記事を書いた後、友達が原作から以下のような引用を行ないました。
【原作該当部分】
軍神がいた。マハラジャがいた。以後に歴代を連ねる王朝の開祖がいた。そこに集う英雄の数だけ伝説があり、その誰もが掛け値なしの英霊だった。そして彼ら全員が、その威名の大元に等しく同じ出自を誇っているのだ。――かつて偉大なるイスカンダルと轡を並べし勇者、と。

 なるほど、あそこにいたのは必ずしもアレクサンドロス軍とは限らないと、と思った次第で、あの黄金鎧は例えば軍神スカンダ(漢訳仏教名で言えば韋駄天。インドまで攻め寄せたアレクサンドロスの、東方における伝説が現地神と習合して成立した神格――という説がある)だったりしたのかもしれないと思ったりもしました。

スカンダさん

スカンダ

 上の原作の「軍神」を文字通り戦の神格と捉えたら、イスカンダルに関係がありそうなのはこの神ですし、ほら頭飾りが例の黄金鎧の人の兜に見えなくもないです……ね。

金鎧

 ……まあ、ちょっとないかな、とは思いますが……w この英霊システムって神と呼ばれてる存在を扱えるのかとかいう問題は端的にありますし、どっちかっていうと上の兜は普通にギリシア風の形してるなと思った方がいいような気が。まああの映像がどの程度上の文章を反映できているのかは分かりませんが、大体はギリシア風と言って問題ない風俗してましたよね。


◆やっぱりアレクサンドロス東征軍

 あの固有結界が「苦楽をともにしたことにより同じ風景を心に刻みつけた」ことによって具現化できるものであるならば、遠征先でちょっと関係したみたいな人(マハラジャという例で言えば、マウリヤ朝の建国王チャンドラグプタが、若き日にアレクサンドロスと出会ったことがある、という伝説がある)とか、関係して生まれた神格とか、伝説上の子孫とかがあの中にいるのも微妙ですよね。少なくとも、ゴロゴロいるのは不自然程度の話として。

 やっぱりあの軍勢は東征するアレクサンドロス軍が基盤となっているのだろうと思うわけで、「軍神がいた。マハラジャがいた。」という語り出しは、軍勢の威容に箔を付けるために、例外的存在をハッタリとして押し出しただけなのではないか、と考える次第です。
 ヘレニズム世界の諸王朝の起源はもちろんアレクサンドロスの築いた帝国、彼とともに戦った将兵なわけですから、「以後に歴代を連ねる王朝の開祖」がいることには欠片も問題はありません。高校世界史レベルでも、エジプトを領し著名なクレオパトラまで後裔を輩出したプトレマイオス、マケドニアを領したアンティゴノス、広大なシリア以東を領したセレウコスと思い至ることができるでしょう。もちろん、このような一線級の王朝以外にも様々な王朝が生まれているのです。

 ウェブ上で拾ったライダー=イスカンダルさんの原作キャラシートにある能力の記載も、それを裏付けてくれます。以下抜粋。

王の軍勢データ

 「君主とともに英霊化した近衛兵団」――まあ、「アイオニオン・ヘタイロイ」という言葉自体が「親衛仲間」とか訳すところの近衛兵団のことを指しているわけですが――やはり基礎は東征軍にあるわけです。


◆アイオニオン・ヘタイロイ

 この言葉についても少し。ただの言葉と思って看過するなかれ、重要な言葉です。

 ヘタイロイ自体は仲間とか連れ、同志とかともがらとか、そんな意味です(複数形、というか以下各単語は基本的に複数形)。王について言う時は、οἱ ἀμφ' αὐτὸν ἑταῖροι(hoi amph' auton hetairoi)「(王)自身を囲む仲間」――王の傍にいた側近、直属の人間たちですね。食をともにするレベルの僚友です。上の他にもβασιλικοί ἑταῖροι(basilikoi hetairoi、王の仲間)、あるいは単にἑταῖροι(hetairoi、仲間)、またβασιλικοί φίλοι(basilikoi philoi、王の友/被寵愛者)、単にφίλοι(philoi、友/被寵愛者)とも呼ばれました。

 こう呼ばれた人々が、王の側近・近侍として、戦場での近衛の兵団、直属の戦士たちとして戦ったわけで、近衛隊、親衛隊とも訳されるわけです。まあ基本的には騎乗者がメインになりますから、どちらかと言えば、兵科に分類するなら騎兵隊ということになるわけですが、歩兵の近衛もいましたし、そもそも彼ら親衛仲間は専属の盾持ちを連れていたりして、いざという時には下馬して盾を持ち戦ったりしましたので、馬に乗ってないから即どうこうとは言わなくてもいいでしょう。

 一方アイオニオンはαιώνιων(aionion、永遠の)でしょうから、アイオニオン・ヘタイロイ、αιώνιων ἑταῖροι(aionion hetairoi)で、「永遠の仲間たち」ということになります。

肉体は滅び、
その魂は英霊として『世界』に召し上げられて、
それでもなお余に忠義する伝説の勇者たち!
時空を越えて我が召喚に応じる永遠の朋友たち!
彼らとの絆こそ我が至宝!我が王道!

「永遠の朋友たち」――つまり、これこそが「宝具」アイオニオン・ヘタイロイなのですね。仲間との絆こそが至宝だというのは、まさに文字通りの意味なのです。


追記:上の引用、検索してコピペしただけなんですけど、どうも「時空を越えて~」の行の台詞はアニメでは削除されてたみたいですねw ダメじゃないですかー!



■軍勢個別キャラにも少しフィーチャー


◆黄金鎧

 上でスカンダかも!とか一瞬言ってみた黄金鎧の人。小説版の挿し絵らしきものをウェブ上で見かけてやっと気付いたのですが、兜の飾りの四足生物ですけれど、どうもスフィンクスっぽい風情ですね。ちょっと映像から登場個所二回と、あと件の挿し絵から抜粋。

黄金鎧×3

 アニメの映像では潰れ気味ですが、挿し絵の方では、顔周辺の髪状の部分がおかっぱめいており、古代エジプト的髪形/かつら/頭巾を思わせます。スフィンクスでしょうかやはり。これがスフィンクスだとすると、アレクサンドロスの「学友」でエジプトに王朝を拓いたプトレマイオス、"救済主*" プトレマイオスという可能性が濃くなってきます。エジプト王という立場で馳せ参じているなら、煌めく黄金の鎧にも頷けるというものです。

(*エジプトの古代的繁栄を取り戻したが故に、プトレマイオス・ソーテール=救済主と号された。救済主というと大仰ぽくも聞こえるが、要は救う者。後にイエス・キリストにもこの称号が用いられた)

 プトレマイオス朝エジプトは高校の教科書にも出てくる名前かと思いますが、プトレマイオスの後裔に、かのカエサルと情を交わした同王朝最後のファラオ、有名なクレオパトラ(七世)がいます。知名度的意味で、イスカンダル麾下の「歴代を連ねる王朝の開祖」の代表に相応しい立場と言えましょう。


◆曲剣持ち

 ついでですから、一瞬「あーなんかいるー」とか思って流していた人にもフィーチャーしておきたいと思います。この人です。真ん中ね。

皮兜

 この画像だと少し分かりにくいかもしれませんが、一人だけ曲剣を使っており、皮の鎧兜だかラメラーアーマーみたいなのを着ています。草原の遊牧民っぽい風体ですね。

 参考までにネット上で見つけたスキタイ人の具足という画像を掲示しておきます(ウクライナの博物館辺りからの出展によるスキタイ展の美術全集か何かみたいですが、原典に当たっているわけではないのでよく分かりません。あくまで参考まで)(←追記:同じ出展であろう、92年に我が国で開かれたスキタイ黄金美術展の図録『スキタイ黄金美術展 : ウクライナ歴史宝物博物館秘蔵』を閲覧してきましたが、同じ鎧・時代背景の写真が確認できました)。

スキタイ具足

 アレクサンドロスはソグディアナまで進出し、中央アジア草原地帯に足をかけました。彼が築いた植民市「アレクサンドリア・エスカテ(最果てのアレクサンドリア)」は現在のタジキスタン(ソグド州)にあり、今の名をホゥジェンドといいます。この地域で合従連衡していた現地人や遊牧民から、イスカンダルに従う者が現れたのかもしれません。

 あるいは単に、中央アジアからペルシア帝国に動員されたり傭兵になったりした者が、対ペルシア戦争後にアレクサンドロス麾下に参じたのかもしれません。伝説の可能性が広がります。
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laevaと名乗っていましたが、呼ばれる際に恥ずかしいという問題が発覚して以来、にるば(nirva)と名乗ってます。RPG、ボードゲームなどが趣味。
 
 コメントへの返信が大体遅れておりまして失礼しておりますが、おそらく質問等は、twitterの方でしていただいた方が短時間で認知できる確実性が高いかと思います(右カラム参照)。

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