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「離発着」という単語 

 でしたコメントを読み返してみたら、自説を結構気に入ってしまったので改修して載っけておくことにしました。ついでに「ことば」カテゴリを作成。お題は「離発着」という言葉についてです。




 十色氏のところで読むまでは知らなかったのですが、世の中には「明らかに間違った文字列『離発着』の撲滅を呼びかけるウェブサイト」なるものがあるそうな( → 離発着禁止 WEBSITE)。はてなのキーワードもこの御仁が書いたのだろうと思われますが、曰く

航空機の離陸&着陸を表現したいのだと察するが、日本語としてあり得ない。「離発」・「離着」という語がいずれも存在しないので、両者を受ける「離発着」という言葉もあり得ない。本来は「離着陸」という言葉を使うべきである。

だそうですが、はてどうでしょうこの見解。






 離発着とは、あんま意識したことのない単語かもしれません。とは言え聞いてみると「ああ、あるねそういう言葉」程度には思えます。ググってみると成田の公式サイトなりにも使われてるようで、かなり熟成度の高い言葉の模様。件のサイトの御仁は「離発」も「離着」も日本語にないとおっしゃられてますが、さてどうでしょう。単独語としてはなさそうですが、単独の表現がないからといって表現自体を否定するのもおかしな話です。

 さて「離着陸」はまさにこなれていて自然な熟語のように思われますが、これは「離陸」「着陸」の複合語であるのと同じくらい、「離着」と「陸」の複合語であると言うことができるのではないでしょうか。「離着」でググってみると、「離着桟」や「離着水」、「離着底」に「離着艦」といった表現が個人性の低いページでお目にかかれます。いやまあ、別段例を挙げるまでもないのですが、離着という表現はある、そう言ってよろしいでしょう。複合語の一部として専ら使われているからと言って、その表現の存在を否定するというのは不適切です。


 特に確たる検証もしてませんが、私としては「離発着」は離○+着○の「離着」と、発○+着○の「発着」の多段的複合語なのではないかと思います。飛行器械が飛び立つことを表現するのに一方で気球や飛行船のイメージから根差した「離陸」があるわけですが、その一方で飛行機は「発進」するものであったり、また空運に旧軍が及ぼしている影響、その要素を考えると飛行機は「発艦」するものですが「離艦」するものではありません。「発陸」も「離艦」も一般的な日本語ではないでしょうね。「離陸」「発艦」でしょう。また、宙を行く船的な乗り物はよく水面に降りたり出たりしますが、離水着水とは言っても発水はしません。

 「着陸」「着艦」ついでに「着水」と、天から地に「戻る」イメージでは「着」が圧倒的にスタンダードな一方で、「出る」イメージにおいては「離」と「発」でどちらが勝ってもいない。故にこの二つを曖昧に重ねた「離・発/着」が熟語として定着しているのではないか。そんな想像をしてみました。






 しかしこういう言葉の問題について言えば『Oxford English Dictionary(OED)』のような辞書が日本語でも出てくれれば楽なんですけれどね。OED とは「あらゆる語彙のあらゆる意味を網羅し、その用例を、可能な限り初出から掲載し、また文学・学術・演説・法令など幅広い分野から少なくとも一世紀に一例は掲載する」という編纂方針で作られている辞書のことです。初期形態は1857年にプロジェクトが始まり、88年から1928年にかけてまとめられています。

 ただでさえ日本語は英語に比べて1.5倍の記述史の長さがある上に、製作開始に百年の差があるとなるとなかなか難しいものです。小学館の日本国語大辞典が OED に範を取った国語辞書として存在しますが(ここに紹介されてる NED ってのは OED の前の名前。1933年にはもう OED に名を変えてるんですが、金田一先生は親しんだ初版の名前をナチュラルに使ってるんでしょうか)、正直全然負けてます。OED は現在も着々と更新されてますからねぇ。ちなみに日国に「離発着」の項はありません。
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コメント

はじめてコメントいたします。
「離発着」に関しての私の見解です。
運行を管理する「出発便」と「到着便」という用語から
「発便」「着便」という用語が生まれたが、
飛行機は離陸する乗り物であるため、
あえて「離発」と「離着」という造語が生まれ、「離発着」となった。
近年では「離発」という用語が紛らわしいと判断されることが多いため、
「離発着」とは間違った用語であると言う意見があるが、
そもそも「離」自体は飛行を表している。
ちなみに広辞苑第六版では「離着陸と発着との混交語」となっているが、
これは飛行において用いられる用語の「離着陸」と、
運行を管理する用語である「発着」を混合している
という認識であると考えられる。

どうも。

興味深いご見解です。

ただ、「発便」「着便」と「飛行機は離陸する乗り物である」が組み合わさって「離発」「離着」が生まれた、という御説には、失礼ながらいささか論理の飛躍を感じます。これらの言葉がどのようなシチュエーションで、また何を表すために作られたとお考えなのか、もう少し解説を加えていただければ幸いです。少なくとも、その文脈においては、「離発」「離着」は異なる構成原理/発想に基づいていますよね、「着便」に対応すべき飛行機の動作は「着陸」なわけですから。

他方で、出発/到着は運行管理の側からの言葉であり、「発着」もそちらサイドから生まれたものだ、という論点には成程、と得心しました。飛行機そのもののレベルと、移動手段として抽象化されたレベルは区別するべきというお考えは非常に尤もなものだと思います。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

かの御仁です。
離発着はあり得ません。
管理者さまに迷惑をおかけするのは本意ではありませんので、
まずは非公開でメッセージを送らせていただきました。
なんにせよ、この言葉は徹底的に排除する必要がありますね。

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