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師のたまわく、「海エルフとはなんぞや」と。 

(海エルフについては、まとめ記事を書きましたのでそちらをご参照下さい)
  → 海エルフ(Sea Elf)概論


 師、さらにのたまわく、「いや、無論 D&D(R) とかに出てくる Aquatic Elf ってのの記述は知ってるんですが、どうしてそんなサイケデリックな代物が RPG スフィアに「だけ」生存しているんだろう」と。

 何か言う前に、差し当たりRPGスフィアにおける「海エルフ」についておさらいしておきましょう。


・海エルフとは:ゲームにおいて

 アクアティックエルフ(あるいは海エルフ)というのは、「D&D」に出てくるエルフの一種族で、端的に言うと海棲のエルフ。モンスターマニュアルなどにちょいと出てくる彼ら。手には水かきがついていて、海草で衣服を作ります。実は詳しい情報は載っていないのですが、一般にエラ呼吸をすると解釈されているようです(まあ、海中に住居がある、とありますからねぇ。海辺に暮らす者もいるようなんですが…でも陸上だと干からびるそうな。何が何やら)。

 また、「ルーンクエスト」のグローランサ世界だとエルフは半分植物なわけですが(むしろ植物は兄弟姉妹)、彼女らはそれぞれ一定の植物種に対応した生物なんです。常緑樹のグリーンエルフ、落葉樹のブラウンエルフが代表的なエルフ、ということになります。で、その流れで海の植物の兄弟種族として海エルフ=ブルーエルフがいるんですね。なんでも「赤紫の肌に糸のような髪、水掻きを持つ手、下半身はウナギか鞭のよう」だそうな。どこがブルーなのかと。

 他にこのようなタイプの海エルフが登場するのは、「FF(ファイティングファンタジー)」のタイタン世界と、「ルナル」のルナル世界ですか。ルナルについては、これははっきりとグローランサの再生産でしょう。タイタンの場合は、半漁人タイプということで、D&D系でしょうか。単に植物と密接に関係するか否か、程度の違いな気もしますが。ちなみにタイタンの海エルフも陸上だと干からびるそうで、陸上のエルフ会議に出るために、議場に水槽を持込むそうです。流石ですね。


 また、これらとは違ったタイプの海エルフもいます。「ウォーハンマー」などに存在する、海洋民族、航海者としてのエルフ達ですね。これのイメージルーツは簡単で、「指輪物語」や「シルマリルリオン」に描かれる、海を行く者としてのエルフ達です。なお、以下で扱う「海エルフ」とは、基本的にこちらではなく、先に述べた、海棲タイプのエルフを示します。
・その時のコメント

 さて、私も多分に気になることではありましたので、これに対し吾が想念のままに書きつることしばし。で、次のようなことを書きました。

これも史料をあさったら面白いかもしれませんね。

つまり、初期D&Dでは違った設定だったかもしれない。エアロ・エルフ、みたいなのはいませんから、精霊とかでなく、やはり海上に生きるエルフのようなものがイメージソースになったんでしょう。

初期にはそういう単語、イメージだけあったのが、後代には無知故か、あるいは生物相を増やしたかったとかでサイケデリックな種族を創造してしまったとか。

ただ、上の想像の成否はともかく、その初期イメージに問題はありますね。何を起源にしているのか…『指輪』に「海/水のエルフ」に類する用語があったか記憶に定かでなくて。船乗りとか航海者とかならともかくですが…クウェンヤ語の単語が主の時期の記述にあったような気もするんですが。あるいはケルト神話の海のシーから来ているのか。あるいは何かのSFからか。

まあ、とまれ、ルルブの方は、手近をあさればAD&D1stくらいには遡れそうですし、ちょっと見てみようかな。
まあ、もっとシンプルに、RQにインスパイヤされただけではないかっつー説が最有力な気もします。

グレッグの馬鹿妄想(褒め言葉)につき動かされてD&Dが海棲エルフを導入してはみたものの、結局流行ることもなく、他へは波及せず、惰性で残ってるだけ、という感じで。
むしろ海棲エルフってD&Dワールドとグロラン以外にどの辺に出てましたっけ。PAにはいそうですが、その程度ではないですか?

 さてこの時は特に何か参照することもなく、記憶オンリーで書いていましたが、この謎にはなかなか興味が湧いています。よってその内追跡調査して解明したいなー、とは思っておりますので、「その内」と言って放り出さないためにも、とりあえず初期調査の結果をここに書き留めておきます。


・D&Dにおける海棲エルフ

 これが私がアクセスできる限界でしたが、AD&Dの1st Editionのルールブックを調べてみました。「AD&D 1st Monster Manual」に、見事に"elf, aquatic"が載っていましたね。書いてある内容は、2nd Editionと特に変わらず。というわけで、とりあえず「AD&D 1st」までは遡れることを確認しました。これ以上の過去は…私個人では無理ですな。OD&D(初期D&D)の情報よりもまだ「Chainmail」の情報の方が探しやすい気もします。

 ちなみにAD&D1stの発売は1977年。最初のD&Dの発表が74年ですから、3年後ですね。うぬぬ、こんなに早かったのか。というのも、「Runequest」の1st Edition発売は1978年なんですね。これを知った時にはやはり、「最有力なんて何の根拠もなしに主観で放言するもんじゃないな」と思いましたよ。


・グローランサの古さ

 というわけで、ルーンクエストの誕生以前にすでにD&Dにはアクアティックエルフが存在していたことが明らかになったわけですが、(RPGシーンにおける海棲エルフの)グレッグ・スタフォード起源説を見捨てるには、まだ即断は早い。

 グローランサ自体は「ルーンクエスト」の誕生以前からあったわけで、少なくとも商品として世に出たのが、ファンタジーウォーゲームの走り「ドラゴンパス」、旧題「白い熊と赤い月(White Bear and Red Moon)」まで遡れることは有名でしょう。そしてこの「White Bear and Red Moon」の発売は1975年。製作自体は1974年。グローランサの誕生は、少なくとも原D&Dの1st Edition発表の年まで遡れました。

 とは言え、現在の主題である海棲エルフが「White Bear and Red Moon」に登場しているわけではありません。むしろ「エルフ」自体、登場しているとも言い難い。つまりこの事実だけでは、当時のグローランサがこのゲームに描かれている程度にしか作られていなかった、と考えたら、グローランサの海エルフの古さの保証にはまったくなりません。


 しかしです。「当時のグローランサがこのゲームに描かれている程度にしか作られていなかった」というのは妥当な考えでしょうか?少なくとも、74年の段階でゲームに諸国の設定を盛り込めるだけの背景は作り上がっていたというのは間違いないことです。ドラゴニュートやドワーフの設定が既にゲームに盛り込まれているからには、エルフの設定もまた既にあったのではないでしょうか。

 グローランサの作者、グレッグ・スタフォードは神話学や文化人類学の畑の人間で、その経緯で創作神話大系を作り出した人です。そんな人が、おそらく当時のファンタジーで既にメジャーな存在であった「エルフ」という種族についての設定、グローランサ世界においては「植物(という重要な世界的ファクター)」の設定の根幹にも絡む種族の設定を、ウォーゲームに使う軍事的状況の設定より後に作り出すでしょうか。いやあるまい。


 というように想像しましたので、もうちょっとグローランサについて調べてみることにしました。しかしやはりネットは便利ですね。阿頼耶識とまでは言いますまいが、他者の知識を借りることが非常に容易になりました。グローランサの起源について、SFオンライン様に情報を見つけました。

 → SFオンライン
 → SFオンライン45号(2000年11月27日発行) ゲームレビュー

下のリンク先の、Hero Wars, Roleplaying in Gloranthaの項をご覧あれ。

そもそも“グローランサ”は、『ルーンクエスト』と『Heor Wars』の中核クリエイターであるグレッグ・スタフォードが1966年(RPGが誕生するはるか以前)に創作を始めた架空世界です。当初はスタフォード個人の自己満足の対象に過ぎませんでしたが、やがてThe Society of Creative Anachronismという集団に持ち込まれて人気を博し(後略)

 1966年。かなり昔まで遡れましたね。Wikipediaよりも余程有用な情報が得られましたよ。後は「The Society of Creative Anachronism」というのについて調べるべきですが…これはまだ未調査。一応サイトは見つかりましたが。

 → The Society of Creative Anachronism

 ここを介して、グレッグが当時のゲーム・ファンタジー界隈に、どの程度の影響力を持ったかは非常に重要ですが…しかし、海エルフの起源を探る、という目的のためにはバックナンバーを読みあさらなくてはいけない予感がしますし、ちょっと暇がない時には足を踏み入れたくないのですよ←ヘタレ。というわけで、後日!


 このレビューには、この情報のみならず、グローランサの現在未来についての重大なコメントがありますが…まあそれはさておくとして、この文章をお書きになったのは星野富美男さん、という方だそうな。ググってみると、「Role&Roll誌」のBRP特集号、「Role&Roll SP」に掲載されていた「保存版!! BRPシステム」の翻訳者の方のようです。SF畑(京大系?)の方なのは間違いなさそうですが…RPGやTCG界隈でライターをなさっているようですね。


・トールキンにおける海エルフ

 さてついでに、近代のエルフ像に決定的な影響を与えたであろう、J.R.R.トールキン(以下、束教授)の作品における「海エルフ」について補足。

 まず、確か「ホビットの冒険」に「海のエルフ」という単語は出ていた筈です。普通に「Sea Elves」となっていましたか。また、これについては、特に補足説明はなかったと思います。「ホビット」では闇の森の「Silvan Elf」達がピックアップされましたが、彼らの紹介(「森のエルフ」と訳されていた)のついでに出てきたと思われます…その内確認します。

 さて次、「シルマリル」。いや簡単な話でした。ありましたよ「海のエルフ」。クウェンヤで「ファルマリ falmari」、シルヴァンでもナンドールでもシンダールでもない、まともに中つ国西岸に到達し、アマンに渡ったテレリ連中の呼び名でした。あーすっきりした。彼らは(海を管轄するマイアの)オスセと特に強く関わり、海洋と深いつながりを持ったのです。ちなみにかの高名な"船大工"キアダンも彼らの一員…というか、彼らの内(オスセの勧めで)アマンに行かず、中つ国に留まった連中をファラスリムと呼ぶのですが、その長ですね。

 というわけで、束教授の作品にもちゃんと用語「Sea Elves」は存在しました。


・結論

 特にありません。まあ途中経過ですから。あえて言えば、Sea Elfの用語自体はやはり、束教授から持ってきたのだろう、ということくらいですか。

 とりあえず仮説「RPGシーンにおける海棲エルフのグレッグ・スタフォード起源説」の検証をその内続行するなり。


 → 12/9に続く


(追記:海エルフにご関心がお有りな方は差し当たりこの記事をごらんください)
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[TRPG]海エルフ(ブルーエルフ)

そういえば触れていなかったかな? [http://blog.livedoor.jp/vanaheim/:title=VANAHEIM]さんで、海エルフのRPG上の展開を解説した記事があり、秀逸でした。 [http://blog.livedoor.jp/vanaheim/archives/50241803.html:title=] [http://blog.livedoor.jp/vanaheim/ar
  • [2006/02/26 06:21]
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プロフィール

laevaと名乗っていましたが、呼ばれる際に恥ずかしいという問題が発覚して以来、にるば(nirva)と名乗ってます。RPG、ボードゲームなどが趣味。
 
 コメントへの返信が大体遅れておりまして失礼しておりますが、おそらく質問等は、twitterの方でしていただいた方が短時間で認知できる確実性が高いかと思います(右カラム参照)。

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