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【シャドウラン日本/歴史篇】第一章:第五世界末の日本 

 第五世界末。日本はかつての挫折を乗り越え、はじめ経済大国として復活する。そして、やがては軍事大国へと――



一.日出ずる帝国とその挫折


 明治時代、日本人は、アメリカ的思考・価値観の精神的植民地にならぬよう「和魂洋才」を唱えながらも西洋科学を急速に学び、取り入れていった。そして与えられた全てを存分に吸収すると、アメリカに追いつき追い越すべく必死に働き――遂には彼らを凌いだのであった。

 この成功は、「名誉心のたまもの」だったと考えられている。かつて大名体制の下では武士道の名誉が日本を護っていた。そしてその後には、日本初の憲法によって「主なる天の御子」「神に選ばれたる者」と見なされた天皇が、精神面と行動面の双方に渡って国民を指導したのである。

 しかし、この天皇権力は第二次大戦の終結と運命を共にすることになる。戦後の天皇はただの権力なき象徴的人物となり、これとともに日本は、理想という相続品の根幹を――従って、名誉心をも大いに失ったのであった。



二.再起する"経済帝国"日本


 しかし日本は、その適応力によって新たな世界に再び立ち上がった。侍が戦場を征したが如く実業家が市場を征し――"泥棒男爵"の精神をもって日本は経済界に確固たる地位を築いていく。

 かくて現出した「経済帝国主義日本」は順調に成長を続け、日系企業の影響力は世界を縦横に広がった。日本企業はまさに国家のシンボルであった。アメリカがひとたび破壊し、そして蘇った財閥による系列支配。また外国企業の買収を受け付けぬ気風――これらの体制が貫かれる。

 そして経済のみではない。日本国憲法の戒めにも関わらず、世紀の変わり目になる頃には日本はイスラエルよりも大きな陸軍を持つような世界第二の軍事大国になっていたのである。国連主導の下、日本自衛隊は平和維持活動のため盛んに海外出動を行った。



前書き ← → 第二章


(以下コメント)



第一節


 ・はじめに

 シャドウランにおける日本の設定、ということを語るのに、戦前にまで言及することはない、と思われるかもしれません。つまり、歴史を語るにしても、現実世界の歴史の流れと明確に乖離する段階から書けばよい、と。

 この場合、高度経済成長期からバブル崩壊を経験せずに成長し続けるところから書き出すことになります。サイバーパンクというジャンルの成立時代から見て必然的な切れ目と言えるでしょうし、むしろ当初はそこから書き出しました。しかし敢えて明治時代の記述から紹介したのには一応訳があります。

 第六世界における「日本帝国」は当然ですが我々の知る日本国ではないし、ましてかの大日本帝国でもありません。と言ってもデザイナーはこの「日本皇国」を(20年前に"なりそう"に見られた)経済覇権帝国としての日本国と、帝国主義の時代における大日本帝国をベースとして合成して作り上げたのであろうから、我々がシャドウランにおける日本帝国のイメージを掴むためには

「どのような歴史観で大日本帝国が描かれているのか」

を見ておくことに大きな意味があるのです。新たに創り上げられたものを見るよりも、我々の知識にあるものがどのような視点で記述されているのかを見た方が段階的な理解に役立つというものでしょう。

 まあ、長々と書いた割には、対応する本文も、そこから言いたいこともわずかしかないのですがw、とまれ、こんなことを考えてますってことで。


 ・国号

 日本帝国、というのは既にルルブに載っているので踏襲しました。前節の「日本皇国」という単語は「Japanese Imperial State」の直訳のつもりです。まあ、難しいですね直訳(正確な置き換え、という意図で言っています)って。少なくとも「帝国」は直訳ではないです。Imperial は「Empire/Emperor の」ですから。よって「天皇の国家」辺りと捉えて、皇国としてみたわけです。

 ちなみに戦前の公称ですが、「大日本帝国」の公式訳は「the Empire of Japan」です。対外文書では基本的に「Japan」のみ。多分「Japanese Imperial State」は、「日本帝国主義、日帝」を意味する「Japanese Imperialism」から作ったんだと思いますねw。


 ・戦前帝政への視点

 第二段落の第二文以降の後半から、第六世界日本についての重要なキーワードが読み取れます。すなわち、天皇のあり方についてです。端的に言うと、ここでの天皇はカリスマ的指導者であり、日本の名誉の体現者であり、または王権神授説における専制君主であるように描写されているわけです。

 キリスト教帝国的理念における「Emperor」像が垣間見れる描写ですね。邪推にもなる物言いをすると、「天皇が大名政権を覆して、王権神授説を基とした憲法を作った」というような見方をしているような気さえしますが。

 現実にこれに対応しそうなことはというと……明治天皇自身も大きな関心を寄せ、その名で(天皇自身の書名で)発布がされた教育勅語くらいでしょうか。拝礼や奉読が訓令されたり、特に昭和に入ってからの神聖化方針などを見るに、本文のような記述をされる余地はあると言えるでしょう。と言っても、やはり現実に天皇が表立って動くのは稀なことであり、昭和天皇などが天皇機関説に支持を与えていたりしたほどなわけで、天皇が大権を振るって国家国民を全面的に指導していった、などとは言い難いですね。


 ・現代(@SR4)帝政への視点

 と、色々書いてきましたが、別に本文の様な描写あるいはレッテル貼りをする余地があるのは確かであって(特に外国の一般人からしたらね……つまりこの記述の背景の時点ですでにパラレルワールド、としなくても大きな問題は起きません)、史実が云々というのはここでは重要ではありません。要は、

「日本の精神を体現していた神権的指導者・統治者(である天皇)が、二次大戦の敗北とともに没落した」

という歴史観で第六世界の日本が描かれている、ということが重要なわけです。つまり「現在の日本帝国」の天皇はその再来として、政治的実権を持った(つまり、「能動的に表の政治に関わらない」という伝統的態度は持っていない)存在としてデザイナーが設定するだろうことがここで分かります。

 先取りして書くと、「それまでの天皇はあくまで象徴的存在だった」という記述が多数なされている関わらず、SR4th 現在の今上帝は幼くして即位後、すぐに親政に乗り出すのですが、政界財界といった各勢力も特に違和感なく彼を「指導者」として受け入れているようです。

 つまり、政治文化として「君臨すれども統治せず」が継続した一方で、時代思想としては「天皇は本来統治する方だ」という発想が当然のものとなっていたのでしょう。「象徴であって実権はないにも関わらず、あらゆる政策が天皇の名を冠して行われた」ということですが、その状態が50年続いたので、実際に天皇が命令を出しても違和感が発生しないようなマインドセットになっていたのでしょうね。


 ・日本プレイヤーとしての視点

 天皇の政治的位置づけに関しては、まあ「そういうものなんだ」と一度思ってしまえば特に問題もなく受け入れられるでしょう。具体的には「天皇は象徴的存在」と明記されている時代でも、詔勅が法と同列(おそらく重要度はより高いと見なされるのでしょうが)の存在として出されているような状況ですが。まあ、映画の『ラストサムライ』を見て違和感を感じずにいられればクリアーのハードルは大分低いでしょうね。

 プレイヤーの実記憶にある「現実」からどう乖離・変化していったのか、という架空史を考えるのもまた楽しいでしょう。まだ二次大戦までしか語られていないわけで、ここで「こうすると(プレイヤーに)身近な時代からのダイナミックな変化を演出できるだろう」とか言うのはまだ早いのですが、要は「天皇の発言権を増大させ、それに乗じて自らの力を増そうと暗躍する黒幕たち」がいればよかろうので、それに関連したイベントをちりばめていけばいいわけです。


 ・付録/アメリカ人自重

 → 付録



第二節


 ・想像しよう

 この辺りまではまだ、パラレルワールドとしてイメージしやすい像を維持していると言えるでしょう。概ね「バブル崩壊が起きなかった、イケイケな日本」として頑張って想像すればよかろうと思います。あとライブドアとかカルロス・ゴーンのような現代的表象をすっぱり捨て去りましょう(彼らも別に最新の表象ではありませんが……まあ現代史を書くとしたら最も重要な社会現象に入ると思いますね)。


 ・泥棒男爵


 泥棒男爵の原語は「Robber Baron」、他に強盗貴族とかとも訳されます。「民衆から盗んだ金で莫大な財産をため込んだ」「卑怯な手口で資本と権力を築き上げた」という意味合いが込められているのですが、つまりは大成功した企業家や銀行家を呼んで使われた言葉です。

 我々が親しんでいる語彙だと、「エコノミック・アニマル」と対応させるくらいでいいんじゃないでしょうかね。


 ・軍事大国?

 軍事大国、の話題の辺りは、おそらく「日本軍国主義の復活」といった言説の常套句を引っ張ってきているのだろうと思ったりしますが、さておき「イスラエルより」という形容には、「あの世界的最精鋭集団であるイスラエルよりも」というイメージが意図されているのでしょうね。ちなみに現実世界を見ると次のような状況です。まず自衛隊の兵力は24万(陸自15万)、でイスラエル国防軍は17万(陸軍12万5千)。

 イスラエル以上というのは一応その通りですね。とは言え、予備役を入れるとイスラエル軍がダブルスコアで自衛隊を上回りますし、その上イスラエルは国民皆兵な国。自衛隊(ないし架空の日本軍)がイスラエル軍を上回るためには「総力戦に突入/長期化/泥沼化した戦争」などの前提条件(によって大規模な徴兵を行う)が必要になるでしょう。


 ・むしろイスラエル凄い

 というか人口・面積双方において、日本と約18倍の開きがあるイスラエルを引き合いに出すのは、冷静に考えて「イスラエルに匹敵されるほど軍事力が小さい」と驚くべきところではないでしょうかw 外国人にデータ見てもらったら
「あれ、イスラエルも最先端の兵器使ってるよね。海軍への投資がないけどさ確かに、でもなんで4、5倍も軍事費離れてるの?」「日本ってイスラエルの何倍も核兵器を維持したりしてるのかひょっとして」
みたいな反応を返されたりして。まあ、イスラエルの特異性・置かれた環境の厳しさを表すのには効果的な比較でしょうが……

 ちなみにイスラエルの国力は第六世界でも大して変わらない数値になっているようです。というか、イスラエルの現代史はこちらの史実とほぼ同じであって、流石2005年5月発売と言うべきでしょうか。2004年11月のアラファト暗殺までリアルタイムにサポートしていますw

 まあ、そんな感じで、イスラエルと比較している記述から、「実はシャドウラン世界の日本は実際に世界第二の軍事力を保持するようになっていた」という仮定は概ね封じられます。この時点での日本の軍事力は、多分現実と同じくらいじゃないでしょうか。
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laevaと名乗っていましたが、呼ばれる際に恥ずかしいという問題が発覚して以来、にるば(nirva)と名乗ってます。RPG、ボードゲームなどが趣味。
 
 コメントへの返信が大体遅れておりまして失礼しておりますが、おそらく質問等は、twitterの方でしていただいた方が短時間で認知できる確実性が高いかと思います(右カラム参照)。

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