#NJSLYR7D ネオサイタマ侵攻初動人員まとめ 

 『ニンジャスレイヤー』での、第二次ネオサイタマ侵攻を巡るザイバツ・シャドーギルド内政治模様をまとめようと思ったのだが、まず初期侵攻時におけるザイバツ・ニンジャの人員をまとめたので覚書きとして置いておく。




 さて、ザイバツ・シャドーギルドのネオサイタマ作戦の開始は、第1部最終エピソード「ネオサイタマ・イン・フレイム」 #4「ダークダスク・ダーカードーン」に描かれている。そこでは、アラクニッドの占いの結果を受けてロードが発した号令により、「十数名のニンジャ」が動いている。これが侵攻初日に動員されたニンジャの規模と見てよいだろう。

 まず、第2部開始エピソードである「ウェルカム・トゥ・ネオサイタマ」に描かれたデスナイト、モスキート、インペイルメント、サーベラスがこれに含まれる。同エピソードでソウカイ・ニンジャのソーンヴァインが遭遇したのは、サーベラス以外の3人並びにポータルを開いたアンバサダーであるが、この時アンバサダー「まだ数人来る」インペイルメントに語っている。「十数人」となると多くても15、6人というところだろうが、この内ポータル・パスの中で期待値5人ほどが時空の狭間に消えるので、多くて10人ほどがネオサイタマに到達するであろうと想定できる。デスナイト、モスキート、インペイルメントの三人が到達した時点で既に若干名は現地侵攻を開始していたと見るのが妥当だろう。(それにサーベラスが含まれているかどうかは分からないが。)
 同じ「ウェルカム・トゥ・ネオサイタマ」ではこの他に、青装束のニンジャがソウカイ・シンジケート傘下のヤクザ系会社を襲撃しているのがヤモト・コキにより目撃されており、サラリマンの首の骨を蹴折るなどしている。もっとも、以降の第2部においてこのニンジャらしきネームド・ザイバツ・ニンジャの登場は確認されない。
 以上の中ではアンバサダーがマスター位階、並びにデスナイトがマスターかそれに準ずる立場他は全員アデプトであると思われる。

 この他にネオサイタマに展開したザイバツ・ニンジャとしては、「ゲイシャ・カラテ・シンカンセン・アンド・ヘル」に登場したヘッジホッグ、サイクロプス、フォビア、そしてグラディエイターが挙げられる。彼らは皆ポータルをくぐり上の侵攻に参加し、そしてジェノサイド捕獲作戦の後にキョート帰還を許されたと推測される。この中ではグラディエイターが高位アデプト他の三人はアプレンティスからアデプトに昇格したばかりの地位であった。なお同捕獲作戦は、ジェノサイドが、ザイバツと提携を持ったINWからの反逆ニンジャであることによるものだが、のみならずサーベラスを殺害したという点で直接の敵対行為を行っている。
 INWは結局は(おそらくは、ザイバツの思想と彼の研究が相容れないことと、またアマクダリの勃興が与って)ザイバツとの提携を切られるが、「オン・ジ・エッジ・オブ・ザ・ホイール・オブ・ブルータル・フェイト」で提携の場が描写されている。ここで登場したボーツカイアデプトだろうと推測されるが、同エピソードは、侵攻からさほど日を置かずして発生したニンジャスレイヤー・デスナイト戦からまたほどない時期の話であり、彼もまたポータル侵攻組と推測して無理はないだろう(そもそも、これの執筆当時、飛行機組や後発増援の存在がどれほど作者の意識上にあったかどうか怪しいものである。もちろん、ポータルの危険設定から自然に演繹される設定ではあるのだが)。

 ここまでの情報をまとめると、ポータルをくぐって侵攻したと思しきニンジャとして存在が確認されるのは、デスナイト、モスキート、インペイルメント、サーベラス、無名青装束ニンジャ、ヘッジホッグ、サイクロプス、フォビア、グラディエイター、ボーツカイ。ここまでで計10名であり、もちろん他にまだいる可能性は否定されないが(16人がポータルに入ったら大体11人ほどが無事到着する。もちろん損失割合が3割より低く済んだという可能性もある)、これでほぼすべてと言ってよいだろう。
 この内、アンバサダーを除き最も立場が強いのはデスナイトであり、「マーメイド・フロム・ブラックウォーター」に描かれたように、侵攻初期の現地指揮を取ったのが彼であったのは自然なことであったろう。そのデスナイトは同エピソードでニンジャスレイヤーに敗死、アンバサダーや飛行機や新幹線でやってきた後続のマスター(少なくともワイルドハント)にネオサイタマの指揮が引き継がれたと推測される。

 デスナイト、サーベラス、ヘッジホッグ、サイクロプス、フォビア、グラディエイター、ボーツカイ7人は侵攻初期に死亡するので、第2部中盤に生き残っている(可能性がある)のはモスキート、インペイルメント、無名青装束ニンジャの三人である。この内モスキート、インペイルメントワイルドハントの指揮下としてニンジャスレイヤーとカラテを交える。

[忍殺] スコルピオン=サンの遠泳――メキシコと日本の掛け橋 

 最新にして屈指のサイバーパンク・ニンジャアクション小説『ニンジャスレイヤー』において、よく見られる日本以外の地域と言えばやはりまずメキシコが挙げられるべきでしょう。

 メキシコ系の黒人ゴメスが主人公フジキドの元上司ヤマダ・ヨリトモ=サンにカラテで叩きのめされたり、意気揚々と躍りかかったメキシコ人が首を折られたり、メキシコ人ニンジャのスコルピオン=サンが登場したり、翻訳チームがメキシコニンジャセンターに頻繁に研修に送り込まれたり……

 ところで肝心のそのスコルピオン=サンが、メキシコの刑務所を脱走して泳いで日本に渡ってきたせいで、忍殺世界ではメキシコと日本は地理的にごく近いのではないか、という疑惑がヘッズの間に流通しています。

◆忍◆

ニンジャ名鑑#33 【スコルピオン】

メキシコ重犯罪刑務所を脱走し、海を泳いで日本に不法入国したメキシコ人がソウカイヤのニンジャに。二本のナイフで戦う。テキーラを飲み火を吐くカトン・ジツの使い手。ナチョ・スシに目がない。何かにつけて服役時のエピソードを話したがる。

◆殺◆

 まあちょっと待って下さい。

 スコルピオン=サンはニンジャです。我々常人とは格の違うニンジャ筋力、ニンジャ耐久力、ニンジャ恒常性、ニンジャ泳力、ニンジャ漁師スキルetcを持っているのです。ニンジャならば我々の世界地図くらいメキシコと日本が離れていたとしても、ここを泳ぎきることは容易なのではないでしょうか?(スコルピオン=サンが日本に来てからニンジャソウルを得たという可能性はとりあえず考慮しないものとします)

 そこでちょっと、人間による遠泳の世界記録を見てみましょう。2007年の記事。

スロベニア男性、アマゾン川で遠泳の世界記録更新 | ワールド | Reuters
2007年 04月 9日 19:56 JST
[サンパウロ 8日 ロイター] スロベニア人男性のマーティン・シュトレルさん(52)が8日、南米アマゾン川で遠泳の世界記録を更新した。これまでに66日間を費やし、ワニやピラニア、病気などの危険にも立ち向かいながら、合計3274マイル(5268キロ)を泳いだ。
 ゴール地点となったブラジルのベレンでは、シュトレルさんの偉業を見守ろと多くの観衆が集まった。記録を達成したシュトレルさんは、すぐに救急車で病院へ搬送されたが、心臓麻痺を起こしかねない状態だったという。

 どうですか!

 52歳の人間が――まあ、シュトレル=サンがニンジャである可能性はありますが――実に5000キロを泳ぎ続けています!

 ここで、全体でも2番目に登場し、ソウカイ・シックスゲイツ(斥候)では初登場という記念すべきニンジャ、バンディット=サンの脚力のことを思い出して下さい。バンディット=サンはニンジャソウルのアンセレクテッド・レザレクションによって常人の3倍近い脚力を獲得しています。もちろんバンディット=サンのこの3倍という能力が、一般のニンジャ身体強化水準に比べ抜きん出たものであるという可能性は存在しますが――

 え?みんな普通にもっとジャンプしてる?
 ……イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!(スリケン連投)

――ともあれバンディット=サンのこの強化幅を単純に適用してみると、ニンジャも15000キロくらいなら泳ぎ切ることが可能な筈です!日本ーメキシコ間は大体8000キロ、スコルピオン=サンが星を見ながらメルカトル図法的直線航路を辿ったとしても、10000キロしかありません。世界最高記録とならずとも、ニンジャならばメキシコから日本へ泳ぎきることができる!できるのです!






 というわけで、スコルピオン=サンがメキシコから日本に泳いでくることに何らの不自然もないということが――

 え? なんでわざわざ太平洋を横断して日本にまで来たのかって?

 それは……『バキ』の死刑囚編でなんで死刑囚たちが東京に来たのかを問うようなものです。ニンジャは自然と日本に引き寄せられる!のではないでしょうか!多分。知らないです。