海エルフ(Sea Elf)小論 

(海エルフについては、これに加筆したような記事を書きましたのでそちらもご参照下さい)
  → 海エルフ(Sea Elf)概論


 海エルフについて検索して覗かれた方がいたようです。そういえばそんなの書いたなぁ。あれを放置するのもどうかと思いましたので(一方昔の書きかけ原稿を完成させる気力がない関係で)差し当たり短く、私が現在持っている総論・結論を書いておきます。

続きを読む

海エルフの話・続き:補完とか追加とか 

 ← 12/7より


(海エルフについては、まとめ記事を書きましたのでそちらをご参照下さい)
  → 海エルフ(Sea Elf)概論


 前の記事で、ルルブ・サプリを調べた結果を、D&Dについてしか言及してないじゃないですか私。オヤオヤ。


・T&Tにおける海のエルフ

 これは書き忘れですアッチャー。無論T&Tについても見ておきました。初期RPGを語る上で、T&Tは欠かすことのできぬもの。T&Tが世に出されたのは1975年、D&Dが出てはや翌年のことです。

 さてT&Tのモンスターマニュアルと言えば「モンスターモンスター」。ショゴスや夜のゴーント、果てはクトゥルフ(族)までがモンスターとして出されているトンチキ本で、発売は1976年。ちなみにさらにトンチキさを上塗りすると、こんなモンスターも用意されています。

 「 人 間 の 屑 」

 さて目下の私の主題である海エルフですが…日本語版を見る限りは、海に関したエルフは載っていませんでしたね。普通のエルフとダークエルフのみ。日本語版が抄訳であるなんて話は聞いたこともないので(本文にも無論書いてませんし)、おそらくいなかったのでしょう。

 まあ、T&T世界自体にいなかったのかは…ちょいと分かりませんね。世界設定本で持ってるのは、SNE製の「ドラゴン大陸」だけですし、手近で英語文献にアクセスできる身ではありませんからね。ラルフ大陸の設定なんて知らんちゅーのな。T&Tソロアドベンチャーを読みあさればいるかもしれませんが、それは勘弁…まあ初年翌年に出ている限りのクリーチャーカタログにはいなかった、ということでお願いします。

続きを読む

師のたまわく、「海エルフとはなんぞや」と。 

(海エルフについては、まとめ記事を書きましたのでそちらをご参照下さい)
  → 海エルフ(Sea Elf)概論


 師、さらにのたまわく、「いや、無論 D&D(R) とかに出てくる Aquatic Elf ってのの記述は知ってるんですが、どうしてそんなサイケデリックな代物が RPG スフィアに「だけ」生存しているんだろう」と。

 何か言う前に、差し当たりRPGスフィアにおける「海エルフ」についておさらいしておきましょう。


・海エルフとは:ゲームにおいて

 アクアティックエルフ(あるいは海エルフ)というのは、「D&D」に出てくるエルフの一種族で、端的に言うと海棲のエルフ。モンスターマニュアルなどにちょいと出てくる彼ら。手には水かきがついていて、海草で衣服を作ります。実は詳しい情報は載っていないのですが、一般にエラ呼吸をすると解釈されているようです(まあ、海中に住居がある、とありますからねぇ。海辺に暮らす者もいるようなんですが…でも陸上だと干からびるそうな。何が何やら)。

 また、「ルーンクエスト」のグローランサ世界だとエルフは半分植物なわけですが(むしろ植物は兄弟姉妹)、彼女らはそれぞれ一定の植物種に対応した生物なんです。常緑樹のグリーンエルフ、落葉樹のブラウンエルフが代表的なエルフ、ということになります。で、その流れで海の植物の兄弟種族として海エルフ=ブルーエルフがいるんですね。なんでも「赤紫の肌に糸のような髪、水掻きを持つ手、下半身はウナギか鞭のよう」だそうな。どこがブルーなのかと。

 他にこのようなタイプの海エルフが登場するのは、「FF(ファイティングファンタジー)」のタイタン世界と、「ルナル」のルナル世界ですか。ルナルについては、これははっきりとグローランサの再生産でしょう。タイタンの場合は、半漁人タイプということで、D&D系でしょうか。単に植物と密接に関係するか否か、程度の違いな気もしますが。ちなみにタイタンの海エルフも陸上だと干からびるそうで、陸上のエルフ会議に出るために、議場に水槽を持込むそうです。流石ですね。


 また、これらとは違ったタイプの海エルフもいます。「ウォーハンマー」などに存在する、海洋民族、航海者としてのエルフ達ですね。これのイメージルーツは簡単で、「指輪物語」や「シルマリルリオン」に描かれる、海を行く者としてのエルフ達です。なお、以下で扱う「海エルフ」とは、基本的にこちらではなく、先に述べた、海棲タイプのエルフを示します。

続きを読む